玉様を観続けて35年!私の目から見た玉様の舞台あれこれを主に「歌舞伎」を語りたい・・。

恋文 坂東玉三郎様まいる
 こんな一文を、したためることになろうとは、おもいもよりませんでした。
なんとなら私は、片隅の、それも、ずう〜っと暗がりのところから、あなたの当代もてはやされておいでになる色姿を、人方の肩越しに、おそるおそる眺めていましたに過ぎないのでございますから。


もう、お気づきでしょう。 ええ〜っ!??これ 「みよ吉の文じゃあないよ」 ハイ勿論です。
このような形容詞を駆使した美文は、私には書けません。

これは、昭和51年頃の或る雑誌の中の一頁 【人と芸】 文は詩人の女性。
当時26歳の玉三郎、和服姿の素顔の写真掲載 『ほのみえる幼さ・・』 と紹介

本来私は、こういう文はニガ手ですが、よく咀嚼して読むと、嫌味もなく、自己陶酔文でもない、若き玉さまのナマの舞台がそのまま甦って来る、雅なラブレターだと思い、ここで紹介してみたくなりました。全部書くと長くなるので、適当に抜粋します。 では文を続けます。

 なめらかな頬から、あでの形にほのみえる幼さ・・・ほのみえさせる幼さと言い換えましょうか。 夢を見ているような眼じりの長さ・・・なんと、華やかな・・・百の役を、二百の役を、千のお顔を持つ妖しさが、もうそれだけで、見る者の気持ちをかき乱してしまいます。

 少し幕あきに遅れて、もう暗くなっている席を探して、華やかな光の中の舞台の、あなたを、
見たときの美しさ! 息を呑むように圧されるわたしの心を、私はいま、思い返しております。

 眼を上げると、あなたは突然、ショック・ピンクというのでしょうか、そんな色のお着物を召して、あさぎ色の夜具が敷いてある、しつらえの中に立っておいででございました。
お芝居はいくら現実を離れる世界だといっても、それは本当にこの世ならぬ・・
あなたのお立ちになってらっしゃる、あしもとからは、もう一人の余剰がたっているように見えました。
 
 勿論、その時のあなたは、坂東玉三郎ではない、「お銀の方」と云うお名前でした。
けれども、玉三郎様、お銀lの方の、あしもとから、もう一人立ち上がっているあの方は、一体
誰だったのでございましょうね。

 あなたの折れるように細い姿、激しい所作の時も、その背高い丈から若木の枝が、ほとんど無防備に、立ち居振舞うさま。誰方の息のつぎ穂よりも大きく見えて、思わず吐息がでるようでございます。 中略

 あなたは、そんなほんとに小さな所作まで、差す手引く手までもうこの上の洗練はない・・・

玉三郎様、わたくしは、まぼろしを折りたたんで見ております。演じられていない他の女を、
あなたの女形に見ています。仇でございますとも。 略

 あなたが、私にお見せになって下さる未知の中に、現実、あなたが、踏み込んでおいでになったら・・と、そうおもいまして。

 あなたのお残しになる余情に、わたくしは夢をみています。ごきげんよういらっしゃいまし。

以上です。私の文をすぐ続けると違和感があっては・・・と思い一先ずここで・・幕・・


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